「こばと」191号


表紙の写真//会報「こばと」表紙写真のエピソードをご紹介

≪札幌分会のボウリング大会お食事会≫


 1月12日に札幌で行われたボウリング大会のお食事会の写真です。手前のご家族が優勝
した塚田さんファミリーです。


ボウリング大会の様子は、札幌分会の報告をご覧ください。

特集記事//会報「こばと」今号の特集記事

新しい出生前診断(NIPT)について理解を深めるために
ぜひお読みください!!

11月29日、北海道で新しい出生前診断の臨床研究への参加を検討している北大、医大の担当の先生と札幌在住の役員で、話し合いの場を持つ事が出来ました。
 当日は、北海道大学病院産科・周産母子センター・臨床遺伝子診療部 山田崇弘先生と、札幌医科大学産科・周産期科/生殖内分泌科 遠藤俊明先生が大変お忙しい中、来てくださいました。


 まず、山田先生から新しい出生前診断についての詳しい説明をお聞きしました。説明の途中でその都度、質問にお答えいただき、とても難しい内容ではありましたが、理解が深まりました。その後、両病院での実施にあたっての体制についてお話いただきました。話し合いのなかで、告知時の親の想い等も含めた私達の気持ち、希望もたくさん聞いていただきました。最後に当会のアピールをし、当会も支援の一助になりたいと思っている事をお伝えしました。


 今回、山田先生にお願いしまして、新しい出生前診断(母子血中cell-free胎児DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査)について執筆をお願いしました。少し難しい内容もあるかと思いますが、ぜひ読んでいただき、正しい理解を深めていただきたいと思います。その上で、私達は当事者の親として今後もしっかり今後の動向を見極めて行かなくては行けないと強く感じています。


 皆さんのご意見、ご希望、そして想い等是非お寄せください。


母体血中cell-free 胎児DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査
(Non Invasive Prenatal Genetic Testing: NIPT)について

北海道大学病院産科/臨床遺伝子診療部助教
山田崇弘

 北海道小鳩会会員の皆様初めまして.北海道大学病院産科/臨床遺伝子診療部の山田崇弘と申します.この度小鳩会会長の三好明子様に会報に執筆する機会をいただきました.私は北海道大学病院で産科医(周産期医学の専門医)として,あるいは臨床遺伝専門医として働いています.特に臨床遺伝と遺伝カウンセリングや出生前診断を専門としております.ご存知のように昨年夏にセンセーショナルな記事がある全国紙に掲載されたことをきっかけに出生前診断について注目が集まりました.これは一昨年米国で開始された「母体血中cell-free 胎児DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査(Non Invasive Prenatal Genetic Testing: NIPT)」の日本国内への導入に関する記事でした.しかし報道の内容はセンセーショナルなだけではなく不正確な部分も多く,小鳩会の皆様を始め多くの方々を不安にさせてしまう誤解の多いものでした.昨年秋に三好様にご連絡をいただき,小鳩会の数名の皆様とNIPTについてお話しする機会をいただきました.その際に,お話しさせていただく中で正しく私たちの意図が伝わらずご心配をおかけしている点が数多くあることを実感致しました.そこで僭越ではありますが筆を執った次第です.


 まず今回話題になった「母体血中cell-free 胎児DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査(Non Invasive Prenatal Genetic Testing: NIPT)」についてご説明させていただきたいと思います.胎児の染色体や遺伝子を検査するためには,羊水穿刺や絨毛採取などにより胎児細胞を直接採取して検査することが必要です.しかしこれらの方法では1%未満ですが流産の危険性があります.またごくまれですが,腸管損傷や感染などの母体合併症などもおこることから,危険性をともなわない無侵襲的な胎児遺伝学的検査法の開発が期待されてきました.


 誰の血液の中にも自分のDNA断片が必ずあるのですが,妊娠中のお母さんの血液の中には妊娠の初期からおなかの中にいる赤ちゃんのDNAの断片(cell-free 胎児DNA)がとけ込んできます.お母さんの採血を行って,そのcell-free 胎児DNAを解析することで赤ちゃんには全く危険を与えずに赤ちゃんの情報を得る事が可能であることが1997年に香港のDenis Loらによって世界で初めて報告されました.これが「母体血中cell-free 胎児DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査(Non Invasive Prenatal Genetic Testing: NIPT)」の始まりです.胎児由来のcell-free DNAは母体血液中のDNA断片の約10%を占めています.母体血液中のDNA断片をすべて集め,それらの配列を高性能のDNA解析装置で全て読み取り,各々のDNA断片が何番染色体に由来しているかを調べていきます.そして各染色体に由来するDNA断片の量が,どの程度変化しているかから,胎児の21トリソミー,18トリソミー,13トリソミーの診断を行う方法が開発されました(母体血中cell-free DNA胎児染色体検査.Massively Parallel Sequencing: MPS法).この方法では確定診断にはならないものの,検査の精度は非常に高く,21トリソミーの場合では感度99.1%,特異度99.9%,18トリソミーの場合では感度100%,特異度99.6%,13トリソミーの場合では感度91.7%,特異度99.7%と報告されています.ただ,ここで注意しなければならないことがあります.実際の診療においてもっとも重要となるのは,検査陽性者のなかで実際に胎児が21トリソミーである確率(陽性的中率),検査陰性者のなかで胎児が21トリソミーではない確率(陰性的中率)です.陽性的中率は母集団の罹患率(いわゆるハイリスク群かローリスク群か)によって変化し,1/100(妊婦年齢では38歳相当)では90%以上ですが,1/300(35歳相当)では75%,一般頻度の1/900では30%程度になることに注意が必要です.逆に陰性的中率は母集団によってもあまり変化がなく,100%に近い精度となります.すなわち,もしこの検査で陰性を示したとき胎児は21トリソミーではないとほぼ考えることができますが,陽性のときは侵襲的検査(羊水穿刺または絨毛採取)によらなければ確定診断とはなりません.


 NIPTは母体からの採血によるものであり,母体と胎児ともにほとんど侵襲がないため,検査結果が陰性であった場合には,これまで行われてきた羊水穿刺や絨毛採取などの検査を回避して,流産といった検査に関連した合併症を減らすメリットがあります.これがこの検査の最大の利点です.またこの検査の限界としては,判定保留(Not Informative)という結果が1〜2%にあること,また21トリソミー,18トリソミー,13トリソミーの3種類の染色体異常しか対象ではないことなどがあげられます.すなわち3種類の染色体(21番、18番、13番染色体)の数の違いを検出するもので,均衡型転座,微細欠失などの構造異常や染色体モザイクなどは対象外となります.


 実際のNIPTの出生前染色体検査における位置づけは次のようになります.出生前染色体検査には羊水検査や絨毛検査といった確定的検査と母体血清マーカー,超音波検査といった確率を評価する目的で行われる非確定的検査があります.今回のNIPTはこの非確定的検査に含まれます.しかし,これまでの非確定的検査と比較して感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率全てにわたって上記のように上回る精度をもっているのが特徴ということになります.


 米国で始まったNIPTは現時点では上述のように3種類の染色体(21番、18番、13番染色体)の数の違いを検出するものですが,近い将来には既に研究段階で始まっている特定の遺伝子を検査したり多くの遺伝子を網羅的に検査したりする方法が現実になる可能性があります.


 さて,このNIPTは1997年の報告以来,研究は急速に進み,一昨年(2011年)の秋からは米国で本検査による胎児染色体検査が研究ではなく病院で行われる通常の検査(一般臨床)として開始されました.それに応じて国際出生前診断学会(ISPD)からその取り扱いに対する緊急声明が出され(表1),米国のみでなく世界中から検査が受注されるようになりました.


 現在の様なグローバルな社会では日本も例外ではなく,NIPTの日本への導入は不可避な状況にあると考えられます.しかし,日本の出生前診断は1990年代の母体血清マーカー検査の導入時に大きな社会問題となり,未だに社会的なコンセンサスが得られていません.この状況で不充分な遺伝カウンセリング体制のもとで検査が開始されると再び多くの混乱を生む事が懸念されました.このことにいち早く気づいた産婦人科専門医かつ臨床遺伝専門医たちは昨年(2012年)春に行われた日本産科婦人科学会の際に会議を行いNIPTについて話し合いを行いました.当然現在のような状況で導入された場合の混乱を予想し議論が百出しましたが良い解決法はこの時点ではまとまりませんでした.また,日本産科婦人科学会などの学会や公的機関が積極的に動く気配もここまではありませんでした.しかし,この議論をきっかけに産婦人科専門医かつ臨床遺伝専門医の有志が集まり適切な方法を探るべく「NIPTコンソーシアム」という組織を作ってきちんとした体制での導入を目指そうという話が進んで参りました.そこで,昨年7月に大宮で行われた日本周産期新生児医学会の際に北大を含む12施設の代表があつまってNIPTコンソーシアム準備会が行われ,次の様なことを基本として考えて行くこととなりました.第一にこの検査は無侵襲であるという特徴を持つ一方で採血のみという簡易な手技である為,放っておくとマススクリーニングとして一般化することや安易に行われてしまう危険があります.第二に現時点の日本においては遺伝カウンセリング体制がどこの医療機関においても整備されているとは言えず適切な遺伝カウンセリングを提供出来る条件を作る必要があります.そして第三に染色体起因障がい児を産むという選択をサポートする体制を担保した上で導入しなくてはならなりません.そしてこういった問題を懸念し,解決して行く為には一足飛びに諸外国のように一般臨床として導入するのではなく本検査に関する適切な遺伝カウンセリングとその実際を透明化して検討するための臨床研究として本検査を導入して行くことを考えました.


 これまで日本においては,出生前診断に関してしっかり議論されてこなかったという現状があります.1980年代にきちんとした議論や倫理的検討がないままに広く普及してしまった羊水染色体検査が既成事実化してしまったり,一方では議論することそのものがタブーになってしまっていたような側面もありました.また,日本において人工妊娠中絶を規定しているのは刑法における堕胎罪と母体保護法ですが,この中には胎児の先天異常を理由にした人工妊娠中絶(いわゆる胎児条項による人工妊娠中絶)は記載されていません.しかし,現実には「妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの(母体保護法第14条第1項第1号まま)」のうち「経済的理由」を適用して行われています.この点についても度々議論に上ったことはあってもきちんとした結論が出ないままに来てしまっています.


 いずれにしてもここまできちんとした議論をせずに先送りにして来てしまった結果,日本は出生前診断に関して明確な立場を示せていないのです.


 まず,NIPTコンソーシアムではNIPT検査実施のための施設条件として以下の6点をすべて満たすことを定めました.


1. 出生前診断に精通した臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーが複数名所属し,専門外来を設置して診療している
2. 専門外来で,ひとり30分以上の診療枠を設定してカウンセリングを行い,その中で検査説明を行う
3. 検査後の妊娠経過についてのフォローアップが可能である
4. 絨毛検査や羊水検査などの侵襲的胎児染色体検査に精通し,安全に行える
5. 必要に応じ小児科の臨床遺伝専門医とも遺伝カウンセリング等の連携がとれる体制である
6. 臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーは,検査についての研修などを通し,検査法についての知識を充分に有しており,また院内で検査についての結果説明やカウンセリングに十分対応できる


 この施設条件のなかでは,臨床遺伝専門医または認定遺伝カウンセラーが複数名所属と,小児科の臨床遺伝専門医と連携というふたつの条件が,もともと真剣に遺伝医療に取り組んできた施設のみを限定する実質的なハードルとなっています.興味や思いつきでNIPTを導入しようとしても,臨床遺伝専門医を新たに雇用したり,所属医師のなかから複数の遺伝専門医を養成するにも一朝一夕ではいかないからです.これらの施設条件を満たす医療機関は全国でも30-40施設といったところと考えられます.


 またNIPT検査は誰でも受けられる訳ではありません.希望する妊婦さんのうち,以下の条件をすべて満たす方が検査対象となることと致しました.


1. 妊娠10週以降であること
2. 「出生前に行われる検査および診断に関する見解」(日本産科婦人科学会)で定める染色体異常(21トリソミー,18トリソミー,13トリソミー)に関する場合で以下のいずれか
・染色体異常症(21トリソミー,18トリソミー,13トリソミーのいずれか)に罹患した児を妊娠,分娩した既往を有する場合
・高齢妊娠の場合
・その他,胎児が染色体異常(21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーのいずれか)に罹患する可能性のある場合
3. 夫婦またはカップルからの希望があり,検査の意義について十分な遺伝カウンセリングによる理解の後,同意が得られた場合


 これらの条件は,日本産科婦人科学会から既に出されている「出生前に行われる検査および診断に関する見解」に完全にしたがったものです.羊水検査などの条件と同じであるため,前述したように陰性的中率の高いNIPTを行うことで合併症としての流産を少なくしようとする意図にも沿っています.


 NIPTは,ハイリスク群(上記の対象者に関する条件2のように確率が高いとされている場合)においては高い精度で胎児がトリソミーをもっているか検出できることがわかっています.しかし周知のとおり確定診断としては不十分であり,これまでと同様の羊水検査などが必要となってきます.一方,ローリスク群(不安を感じている若い方など)に対する研究報告はまだないので,この検査の有効性はわかっていません.検査対象をハイリスク群に限定しているのはこの理由もあります.これはアメリカ産婦人科学会(2012年12月に見解発表)なども同じ見解です.


 NIPTコンソーシアムでは数回の検討を経たうえで,2012年9月から試行として首都圏の複数施設で検査を開始し,その3-6か月後をめどに全国の他施設に拡大していくことを予定としていました.検査の位置づけとして,臨床研究として実施するか保険診療外医療の提供とするかについてもかなり議論がなされました.結論としては上記のように臨床研究として開始し,施設条件を厳格にするという方針で行うこととしました.そして,そのような準備を進めていた中で突然8月29日に前述したセンセーショナルな報道がなされたのです.


 この報道では,検査の簡便さの強調と安易な中絶につながりかねないといった論調で,あたかも妊婦健診のように妊娠したら誰もが受ける様な検査で,それも実際の染色体検査の結果がほぼ確実にわかる様な書き方だったので大混乱を生みました.また,この検査の問題点を憂慮して,きちんとした体制をつくろうとしたNIPTコンソーシアムがあたかもNIPTを推進しようとしている様に受け取られかねない内容でした.しかし,私たちの意図はそのようなものではないのです.今回の報道の後にあった批判では「新型出生前診断」は「命の選別,胎児のふるいわけではないのか?」「この検査ではたして安心して産めることになるのか?」といったものがありました.しかし,これらは実はNIPTの問題ではなく出生前診断そのものがもつ問題であるはずなのです.前述したようにこういった問題がこれまできちんと話し合われなかったからNIPTで注目が集まった今,問題が噴出したと考えるべきなのです.そして「見切り発車ではないのか?」「この検査のせいで中絶が増えるのではないのか?」といった批判はセンセーショナルな報道とこれまでの日本における遺伝に関する教育と理解が不足している為に正しい情報が伝わらず誤解にまみれてしまったことによると考えています.


 日本では既に述べたように1980年代に羊水染色体検査が普及しました.当時は遺伝カウンセリングの考え方もまだ一般的ではありませんでしたし,遺伝情報の取り扱いの規定もありませんでした.遺伝カウンセリングなしに検査の危険性だけのインフォームドコンセントだけで数多くの検査が行われて来ました.少しずつ改善はされていますが,まだまだ遺伝カウンセリングが出来ていない場合が多いのが現状といわざるを得ません.実際,北海道で検査前に時間をかけた遺伝カウンセリングを行っている施設はごく少数です.羊水染色体検査を受けるかどうかを考える為の情報(非確定的遺伝学的検査)として母体血清マーカーや胎児項部透亮像(Nuchal translucency: NT)計測といったものがありますが,母体血清マーカー検査を遺伝カウンセリングなしにパンフレットを配っただけで行ったり,NTでは何も説明せずに全例で測定したりしている場合さえあります.


 このような状況だからこそ,私たちは次のように考えています.


 NIPTが国内に入る事(絶対に防げないし,たとえ表面的に行わなくても法規制でもしない限りアンダーグラウンドで広まる)をきっかけにきちんとした体制で


1.これまでの非確定的検査と比較して格段に精度の良いNIPTを慎重に扱うのはもちろん,出生前診断のありかたそのものを考え直したい.
2.出生前診断の際には必ずきちんとした遺伝カウンセリングが行われる体制を作りたい.
3.アンダーグラウンドで広まる事やなし崩し的なマススクリーニング化を阻止したい.
4.出生前診断は障がいを持った子どもを安心して養育出来る様な社会を目指す事を前提としなければならないことを訴えたい.


ですから,もし批判するとすればNIPTそのものではなく,これまでなされて来た日本の出生前診断の現状が対象のはずで,今回注目されたことをきちんとした出生前診断の形を作るきっかけにしなければならないと考えています.今,この動きを止めてしまったら日本の出生前診断は再び逆戻りし,アンダーグラウンドだけが広がってしまい,取り返しのつかないことになると思っています.


 遺伝学とは継承と多様性の学問であるとされています.これまで日本での遺伝教育は系統だってなされなかっただけではなく継承に重きをおいたもので多様性についてはあまり強調されてきませんでした.この点が日本の遺伝リテラシーの不足している原因の一つであると私は考えています.社会の中では様々な立場の人が様々な価値観をもって生きていることを認めること.決して障がいをもっていることは不幸なことではないことを知ること.障がいを持っていることが生きづらさに繋がる様な社会であってはならないこと.出生前診断を受けることを選択する人も選択しない人もいることを認めること.そしてその結果どちらを選択しても社会的不利益を受けないよう,国や社会は全力で支援することが必要です.「産むことを選択した」家族のために,各種の福祉,社会対策やノーマライゼーション政策の実施が求められます.障がい者が排除されるのではないかという不安のもとでは,どのような出生前検査も障がいを持って生活している方や家族を始め,国民に受け入れられるはずはありません.NIPTの導入を契機として,「すべての障がい者が安心して生活できる社会」をつくっていくという社会の姿勢が求められると私たちは考えています.


 NIPTについては日本産科婦人科学会が2012年12月15日に「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針(案)」を出しました.そしてこれに対するパブリックコメントが募集され2013年2月21日に締切られ,検討が行われた後に2013年3月9日に指針(案)の改訂版が公開される見込みです.パブリックコメントに寄せられた意見には,選択的中絶による生命の選別を認めない立場,あるいはマススクリーニングとなることによって優生社会化することを危惧する立場からのNIPT批判,一方では希望によって妊婦が検査を自由に受ける権利を保障せよ,非侵襲的検査なのだから遺伝専門医に限らず広く一般に検査を認めよというNIPT自由化の主張もあるようです.日本産科婦人科学会がどのような改定案を出すのか私たちは注目していますが,NIPTコンソーシアムはぶれることなく理念を持って進めて行きたいと考えています.


 これからも私たちは皆様の声に真摯に耳を傾けながら出生前診断に取り組んで行こうと思っております.そして今後も北大と札幌医大とで連携協力して北海道におけるNIPTが適切に行われるように致します.忌憚のないご意見をいただけます様今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます.

2013年2月13日



表1 ISPD(国際出生前診断学会)の 緊急見解(2011年10月24日)
1)ISPDは適切な遺伝カウンセリングと併用すれば,すでに推奨されているスクリーニング検査によってハイリスクと判定された妊婦に対するMPS(Massively Parallel Sequencing)の実施は有用であると考える.低リスク妊婦に対する場当たり的な実施に関しては推奨していない.
2)現時点ではMPSを考慮している妊婦は,詳細な遺伝カウンセリングを受ける必要がある.この遺伝カウンセリングでは,妊婦に対してMPSの有益性と検査の限界について説明を行う.MPSはインフォームドコンセントが得られた場合のみ実施するものとする.
MPS:NIPTの方法の一つで高性能のDNA解析装置を使用して大量のDNA断片の配列を読み取ることで染色体1本1本の量の比較をする技術

分会からの報告//こばと会の分会の活動をご紹介致します。

北見分会からの報告

クリスマス会


 12月16日(日)、社会福祉法人川東の里「レストランじねん」にて小鳩会北見分会のクリスマス会が行われました。21家族72名、ボランティア2名(毎年有り難いです)と賑やかな会になりました。「じねん」は小学校の廃校跡地をレストランに改修し営業していますので、会場は体育館をお借りしました。ステージも広く、キッズスペースも十分でゆったりと行うことができました。


 安田会長の挨拶では、「出生前診断について」お話しがあり、皆で話し合う場にもなったのではないかと思います。

 食事の前には“マジックショー”が行われました。マジシャンの方は、目の前で鮮やかな手さばきで皆を楽しませてくれました。「趣味」の枠を超え、素晴らしかったです。最後はなんと!!!本物の鳩が!!!(小鳩会ということもあり!)マジックショーが終わると、バイキング形式での会食会。テーブルに乗りきらない程のお料理が並びました。どれも美味しかったです。食べ終わると、お楽しみのサンタさんからのプレゼントが!!!サンタさんに興味津々でついて離れない子、少し恥ずかしがりながらプレゼントをもらう子、びっくりして固まる子など様々でしたが、皆とてもうれしそうな表情でした。


 楽しいひとときを過ごす事が出来ましたが、なかなかゆっくり語り合えなかった方は、是非次回の北見分会1泊旅行でゆっくりと話し合いが出来たらいいなぁと思います。

(記: 八巻)

函館分会からの報告

「新年親子の集い」を終えて


 平成25年1月6日(日)。恒例の「新年親子の集い」を函館総合福祉センターにて開催しました。28世帯72名の参加数でした。好天にも恵まれ、当日の欠席者もなく新年を迎えられたことを大変うれしく思いました。


 今年も一部をゲーム大会、二部を食事会&懇親会と構成して行いました。一部のゲームスタート前に、老若男女(^O^)全員で「ラジオ体操第一」を・・・。元気に大きく手を伸ばし準備完了!!


 ゲームは①「ヤクルト早飲み」②「ジャンケンポン勝ち抜け」③「輪投げで景品ゲット」と、ひとりひとりの個性あふれるパワーを発揮して挑んで楽しんでいました。楽しいゲームの終了し、ペコリンお腹を満たしてくれるお弁当の待つ第二の部屋(和室)へと移動。美味しい昼食をいただきながら、しばし“おしゃべりタイム”で賑わいました。日頃会う機会の少ない会員家族は、それぞれの日常を笑い声と共に大いに語り合う様子がとても和やかで意義あるものを感じました。又、入会2ヶ月目の新入会員家族の林さんを会長より紹介していただき、これからのガンバリ!に温かいまなざしといっぱいの拍手でエールをおくりました。仲間っていいね(^O^) 何だかほっこりした気持ちになれて。


 こうして楽しい時間を充分満喫したところで、これまた恒例ノリノリの「ビンゴ大会」で盛り上がり、そして最後に今年の健康と幸せを祈って「お年玉福袋」をプレゼント。 


 こうして「新年親子の集い」は無事終了となりました。


 みなさんのほころんだ笑顔が、私たち役員には何よりの“お年玉”でした。参加くださったみなさん、ありがとうございました。そして今回お会いできなかった会員の皆様にも、日頃の会へのご協力にあらためて感謝申し上げます。是非、会の活動でお会いしましょう。


 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
「今年もGood!な一年になりそう~\^o^/」

(記: 櫻井)



「なごやかな親と子の集い」


函館市 伊藤 己代子(省一 S52.12.23)
 1月6日(日)、久し振りに青空も見えてお正月らしい日に今年初めての行事に参加しました。たくさんの参加者でゲーム等で盛り上がり、小さい子供さん達もとびっきりの笑顔を見せていて、大人も張り切っていたのが良かったですね。毎年、入会してくださる親子も多く、若いお父様・お母様の参加も嬉しいことです。(私も、昔は若い母でした。)兄弟姉妹も仲が良く、面倒見がよくて、いろいろな行事に一緒に参加してくれる中で、家族として「絆を深める」こと、他の子供達との交流で得られることを、様々な場面で発揮してくれると思います。


 息子は35歳です。スポーツ(バスケット・スノーシューイング)や職場で経験した事をこれからの人生に活かしてほしいと願っています。昼食会の時にグループホームで生活している事等の話しや情報を得て参考になり、楽しく過ごしました。お忙しい中、役員の方が準備・用意してくださった沢山のお土産を親の私が楽しみにして頂いてきました。美味しかったね~。


 これからも「こばと会行事」等に参加して、子供達の可愛い笑顔を見るのを楽しみにしています。

I 省一さん(S52.12.23)から感想をいただきました


たのしかった親子のつどい


 みんなでたいそうしたり、ゲームしたりしてたのしかった。少しおかしたべたり、みかんも食べました。ごはんたべて、じゃんけんゲームとビンゴゲームもしました。さいごにおみやげをもらってかえりました。

釧路分会からの報告

茶話会の報告


 2012年11月23日金曜日、交流プラザ幸にて茶話会をしました。天気が悪く雪が降ってしまったので、いつもより人数が少なかった様でした。大人10名・子供5名で、初茶話会のお母さんも参加して頂いて、せっかくなので予約時間のギリギリ午後2時頃まで子供達の成長面での心配事など、それぞれ話し合うことが出来ました。まだ赤ちゃんのお母さんは不安そうな顔で、自分も泣いてばかりの日の事を思い出しました。今は息子も11歳になり、ダウン症児を育ててみて色々な事を息子に学ばせてもらい、私の所に来てくれて本当に良かったな~と思う日々です。そんな事を伝えたくて自分の体験談などたくさんお話しさせてもらいました。少しでもお母さん達が元気でいつも笑顔でいられるとい~な~と思った1日でした。

(記: 若松)

クリスマス会に参加して


 12月2日(日)サンアビリティーズ釧路でクリスマス会を行いました。20家族・大人32名・こども37名で計69名とたくさんの方に参加いただきました。


 今回初めて企画側のお手伝いをさせていただき、いままで企画してくださった先輩の方々の苦労に頭が下がる思いでした。


 毎年恒例のケーキ作りと、サンタクロースの登場に子供達はとっても喜んでいました。今年は釧路養護学校の先生によるご好意で、素敵な音楽コンサートもひらいていただき、一味違うクリスマス会を行うことができました。


 企画としては反省点が多々ありますが、これからもたくさんの方々に参加して頂けるレクリエーションを仲間達と一緒に楽しんでいけたらと思っています。

(記: 門脇)

帯広分会からの報告

クリスマス会の報告


 12月16日(日)10時より音更町総合福祉センターにてクリスマス会が行われました。27家族88名と沢山の方々が参加してくれました。


 始めに手品・腹話術では子供達がくぎ付けに。「いったいどうなっているの?」とキョトンとした子や感動した子・・・とても魅了されました。次にゲームを行いました。しっぽ取りゲームでは、限られた空間でしたが、しっぽを取られないように必死に逃げたり追いかけたり。風船リレーゲームは、3チームに分かれて順番に風船を渡し、時間内に沢山風船を運んだチームの勝利!チームワークもバッチリでした。次のバルーンでは、風船をバルーンの上にのせ、沢山の風船が飛んでいる様子に子供達も大喜び!ゲームの後には中札内養護学校のOB・OGで結成された「中札内オールスターズ」による歌&ダンスがあり、アンコールを含め3曲披露してくれました。嵐の「ワイルドアットハート」に小さな子供達もノリノリで一緒に踊りました。


 昼食をはさみ午後からは恒例のケーキ作りをして待ちに待ったプレゼント交換へ。サンタさんとトナカイさんからプレゼントを受け取り、素敵な笑顔を見る事ができました。みんなで写真撮影をしてクリスマス会が無事終わりました。


 雪が降って天気の悪い中、足を運んで頂きありがとうございました。また行事等でお会いできる日を楽しみに
しています。

(記: 田村)

クリスマス会の感想 帯広市 Y 明美(侑樹 H3.11.19)


 12月16日(日)音更総合福祉センターで行われたクリスマス会に親子3人で参加しました。今年は腹話術や手品の山口さんが来てくださっており、とても楽しく懐かしく見させていただきました。(以前にもクリスマス会で拝見したことがあったので・・・)その後はゲームやバルーンなどで遊び、うちの息子たちは「中札内オールスターズ」として、歌やダンスを発表させてもらい、とても楽しそうに張り切って歌い踊りました。昼食はお弁当をいただき、毎年恒例のケーキ作りをし、最後はお待ちかねのサンタさんとトナカイさんからのプレゼント!!みんな自分の持っているカードと同じ絵が出ると喜んでサンタさんの所に行っていましたね!


 とても楽しい1日を過ごさせていただきました。色々と用意をしてくださった役員さんたち、ありがとうございました。



札幌分会からの報告

第3回 茶話会


 11月21日(水)に難病センターの会議室で、今年度3回目の茶話会を持ちました。小さい子のお母さんから、大きい子の親まで幅広く集まり、昼食をはさんでゆっくりと交流ができました。

(記:小野寺)

クリスマス会


 12月2日(日)、今年も厚別区民センターでクリスマス会を行いました。風邪等の流行の時期でもあり、前日・当日合わせて6家族17名のキャンセルが出て、参加人数は48家族128名と例年より少なめのクリスマス会となりました。


 例年通り、大きなツリーの飾り付けから始まり、バナナの親子、戸城さんによる手遊び、GO!GO!ファイターズ、参加家族の紹介、サンタさんからのプレゼント等楽しく過ごしました。午後からは、ミニ発表会。ヨサコイ、ピアノ、毎年皆さんが楽しみにしているダンスサークル“ヒップフレンズ”のダンス、そして、最後は恒例の坂本さんの歌でしめていただきました。


 今年も、たくさんの会員の皆さんと一緒にクリスマス会が出来、また、参加した子どもたちの成長を感じた嬉しい1日となりました。

( 記: 三好)





「あっぱれ」のみなさん



「ヒップフレンズ」のみなさん

ボウリング大会


 1月12日(土)に、11家族28名のうち大人16名・子供12名の参加でボウリング大会を開催しました。40代・50代のお父さんの活躍が目立ちとても輝いていました。
 今回の最年少参加は4歳でした。滑り台のようなガイド器具をお借りして、初ボウリングを楽しんでくれました。
今年も会員でテイセンボウルにお勤めの白澤さんに大変お世話になりました。ありがとうございました。

(記: 小野寺)

ボウリング大会成人男子1位


札幌市 T 康祐(麻依 H17.7.17)
 麻依の父、康祐です。今回のボウリング大会ではまさかの成人男子1位を頂き、とても驚いています。このような催しがなければ縁がないボウリングを、家族で年1回楽しむことができるというのは私にとって、とても貴重な時間になっています。麻依も頑張って2ゲームを最後まで楽しむことができたようで本当に良かったです。ボウリングを通して体を動かすことに興味を持ってくれたり、人を応援する優しさなどを身に付けてもらえることを願っています。また来年は家族5人全員で参加したいと思っていますので、よろしくお願いします。

M 智宏さん(S51.5.7)から感想をいただきました


ボウリング大会成年男子1位


サッポロテイセンボウルよかったです。たのしいです。 おとうさんといっしょにやりました。ごはんをたべました。おいしかったです。


※智宏さんとお父様はお二人で“一杯飲んで“帰られるとのことでした。よくおでかけのようです。素敵です。

最年少参加


札幌市 K 知子(光太朗 H20.2.22)


 4歳でも楽しくボウリングが出来ると発見!皆さんに助けて頂いて母もストレス解消になりました。本当に楽しかったです。

外木先生 医療講演会


 1月27日(日) 10時~12時まで難病センター 3階大会議室で、母恋 天使病院小児科主任科長 外木秀文先生の医療講演会を約50名の参加で実施いたしました。


 当日は、『ダウン症児・者の生涯を通しての健康管理について』という
演題で講演していただきました。


 はじめに、日本のおけるダウン症候群者の生活、現状についての説明していただき、その後今日の本題であります生涯を通しての健康管理について、出生直後・新生児期、乳幼児期、学齢期、成人後等年齢に応じた診療や気をつけたほうが良い病気等についてとても丁寧に講演いただきました。また、子どもの年齢、時期に応じた定期診療のプログラム・項目も提示していただき、これからの参考になりました。   


 また、アンケートの結果を基に中卒後の生活の場、合併症、合併症で実際に受診した人の数やその病名、運動能力、言語能力、心理的問題等についてのお話はとても興味深いものがありました。
最後に、出生前診断についても説明いただき、とてもよく理解できたという声をたくさんいただきました。


 今日の講演を聞きながら、親としてきちんと自分の子どもの事を学ぶ事の大切さをあら
ためて感じました。子どもの見落としてはいけない,気をつけなくてはいけないサイン等についてしっかり見極められる親でありたいと、強く感じました。


 外木先生、大変お忙しいなか本当にありがとうございました。

(記: 三好)



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ご寄附をいただきました

 昨年同様、今年度も「札幌信用金庫福祉基金様」(7万円) 「ほくでんアソシエ基金様」(5万円)「岡本佳子授産研究所様」(ご寄附いただいたカレンダーの売上金)よりご寄附をいただきました。
 また、一般社団法人 相続手続支援センター札幌様を通じて、匿名で300万円のご寄附をいただきました。


1月30日、相続手続支援センター札幌様で贈呈式があり、いただいて参りました。相続手続支援センター札幌様から「親心の記録」とその手引き、無料相談券のついたパンプレットも合わせて寄贈いただきました。


 子どもたちの豊かな活動のためにとお寄せいただいた皆様からのお気持ちを、会の活動に大切に活用させていただきます。ありがとうございました。



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