「こばと」198号


表紙の写真//会報「こばと」表紙写真のエピソードをご紹介

札幌市  N 有利奈さん(H13.8.14)
≪お母さまのコメント≫
小学校の卒業式です。ミニ袴で足元を気にすることなく、堂々と卒業証書を受けとることができました!

特集記事//会報「こばと」今号の特集記事

小鳩会会員の皆様,ダウン症候群のお子さん並びにその家族の皆様

 平成23年に多くのダウン症候群の家族の方々にご協力をいただき、急激退行と呼ばれる日常生活の能力が急激に落ち込む現象についての調査をさせていただきました。厚生労働省の研究班(代表 国立成育医療センター 奥山虎之)では調査結果を多面的にかつ慎重に検討し、討議を重ねたうえでこれをまとめ、21トリソミーに伴う急激退行の診断基準の作成を行いました。


 以前から、ダウン症候群の一部の方に、青年期・成人期にそれまで獲得したスキルや能力が、獲得以前の状態に戻る「退行」と呼ばれる現象があることが知られていました。その中で、アルツハイマー病やうつ病といった精神的疾患の発症や身体的な疾患の発症といった明確な原因がなく「20歳前後のダウン症候群に発症し、日常生活の適応水準の急激な低下が生じるもの.具体的には,急に元気がなくなり,引きこもりが始まり,日常生活のさまざまな適応に困難や支障が生じる」ものを「急激退行」と呼んでおり,その原因や診断法,予防法や治療法はまだ明らかにされていません.厚生労働省は全国の専門家に依頼し研究班を組織し,その実態を明らかにし,診断法の作成を行うことを目的に作業を行ってまいりました.皆様にご協力をいただいたのは,実態調査にあたる部分ですが,最終的に診断基準をまとめることができましたのでご報告させていただきたいと思います.すでに皆様の中にはインターネットの情報などからご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが,以下にその要点を述べさせていただきます.


「21トリソミーに伴う急激退行の診断基準」
以下の9つの症状のうち5項目以上あるもの:急激退行
2-4項目:急激退行の疑い
1項目以下:急激退行ではない


1 動作緩慢
2 乏しい表情
3 会話・発語の減少
4 対人関係において反応が乏しい
5 興味喪失
6 閉じこもり
7 睡眠障害
8 食欲不振
9 体重減少


なお,以下の疾患の鑑別を必要とする.
頭部外傷,脳炎,髄膜炎,甲状腺機能低下症,重度筋炎,重度肝機能障害,関節炎,うつ病,自閉症,高度の難聴,高度の視力障害,てんかん


天使病院では,多くのダウン症の方々の診療や医療・生活の相談などを承っていますが,この診断基準をもとに急激退行を心配される方の診療も行っていきたいと考えています.まだ,この病態は原因がわかっていないこともあり明確な予防法や治療法が確立していません.しかしながら,ともに問題点を共有し,鑑別診断や様々な能力評価をとおして日常生活の改善に向けて普段のかかわりや対応を含めたアドバイスを行いたいと思っています.


先の調査にあたっては,問題を抱えている方の対応を天使病院で行いたいとも申し上げてまいりました.あらためて,その点についても気軽にご相談いただけるようお願いいたします.皆様のご協力への感謝にかえてそう申し上げたいと思います.
機会をみて皆様とこの件を含めてまたお話しなどすることができれば,私としては非常にうれしいことと思います.



連絡先:天使病院小児科 外木秀文(とのきひでふみ)
電話(代表)011-711-0101 小児科外来で私を呼び出すか,受付の事務職あるいは看護師に相談理由をお知らせください.

分会からの報告//こばと会の分会の活動をご紹介致します。

札幌分会からの報告

4月29日(日)難病センタ-において、19家族の参加で分会総会を行ないました。
 前半は議案審議を行ない、今後の分会の活動について意見交換を行ないました。出された意見を役員会で検討し、今年度も元気に活動することを確認しました。
後半はそれぞれの家庭の子ども達の近況報告があり、皆共感したり、感心したりと和気あいあいの2時間でした。(記:小野寺)

茶話会の報告


6月16日(月)、難病センターで15家族の参加で茶話会が行われました。
 最近の茶話会は就学前の小さなお子さんを持つお母さんの参加が多い印象でしたが、今回は福祉ウィズユーカードの販売終了に伴い、福祉サピカについての説明があったので学齢期~就労のお子さんを持つお母さんも参加してくれました。自己紹介で近況を報告しあい、年齢層が幅広いからこそ貴重な話しもたくさん聞くことができ、参加した方も小さな子からは癒され大きな子の体験談など得るものがあったと好評でした。みなさんも一度茶話会に遊びに来てみませんか? (記:塚田)

≪茶話会に参加された方の感想です≫


☆色々な年令の子供をもつ親の話を聞けて良かったです。サピカについても。沢山の情報を得ることができるので出席すると勉強になります。また、このような機会があれば参加したいと思います。
 S 晴美(あかり H15.6.3)


☆同じくらいの2才の子供や懐かしい10ヵ月の子供などもいてにぎやかで楽しかったです。聞きたかった脱毛の事やマカトンサインなどのアドバイスもいただけ、共感できる話など久しぶりの参加でしたが、とてもすっきりしました。ありがとうございました!! 
 M 啓子(雄太 H24.2.8)


☆色々な話しが聞けて良かったです。
 I 綾子 (愛海 H24.12.19)M 仁美 (里紗 H24.5.17)

就学の例会の報告


7月11日(金)難病センターにて13家族15名の参加で行われました。
 今回は、支援学級・学校在籍の小林さん・白澤さん・鹿内さん・日裏さんにお話しいただき、その先々でのお子さんの成長している様子などを伺う事ができました。今回は就学に関する事ばかりではなく、就学までに必要なケア・発語に関わる口腔の問題・理学療法・作業療法について、更には中学校に特別支援級を開設してもらう事や、性に関わる質問が出て、みんなで考える場となりました。
 昼食をとりながらの情報交換も合わせて、とても参考になりました。(記:長谷川)

≪参加された方の感想です≫


☆たくさんのお話しを聞かせて頂きありがとうございました。具体的な事も伺えましたが、自分の勉強不足で全部を理解できたかどうかは・・・また時間が合えば是非参加させて頂きたいと思います。
 I 千亜妃(康生 H21.2.1)


☆小・中・高など、お子さん達の具体的な生活・学校のことについて聞くことができ、自分の気持ちが楽になりました。(そんなに悩んでいるわけではないですが。)このような機会をいただけてありがとうございます。皆さん親バカだということがわかり、楽しかったです。
 K 雅大・幸絵(佑月 H20.6.24)

☆何年かぶりで札幌の会に参加させていただきました。私の説明で良かったのか・・・皆さまの体験談・アドバイスから刺激をいただき、明日からの活力にしたいと思います。ありがとうございました。
 K 美幸(奈々恵 H13.1.7)

苫小牧分会からの報告

総会の報告

北海道小鳩会 苫小牧分会長 工藤 郁美


 桜の季節も過ぎ、夏を待つ今日この頃です。苫小牧分会の定期総会が4月20日(日)市民活動センターで行われました。18家族38名の出席でした。近況報告をし、楽しく会を進められました。今年度の計画で何かご希望がありましたらご意見をお寄せください。皆さま、今年度もよろしくお願いいたします。
(6月1日発行 分会会報 第108号より)

▽苫小牧分会総会の様子

熱戦!ボウリング大会


5月18日(日)苫小牧中央ボウルで家族対抗ボウリング大会が開催されました。17家族が参加して」、楽しいひと時を過ごしました。


 優勝はKさん親子でした。素晴らしいスコアでした。
下位にもお米や果物という豪華賞品が当たりました。皆さまお疲れ様でした。


▽家族で力を併せて一投です

帯広分会からの報告

第38回帯広分会総会の報告


4月16日(水)西帯広コミュニティセンターにて第38回総会を開催しました。
 大人の方26名(新会員さん2名を含めた)、お子様4名の出席のもと、各議題につきまして議案通り、役員につきましても、委任状を含め過半数のご承認をいただきました。
 閉会後はお弁当をいただきながら、お子さんの近況報告などもあり、なごやかにすごしました。(記:菊地)

すこやか農園の報告


第13回すこやか農園開会式が好天に恵まれた5月11日(日)、11家族36名の参加で行われました。
 帯広農業高校の生徒さんが紙芝居で分かりやすく作業方法を説明してくれました。一人一人について指導もしてくれ、じゃがいも・玉ねぎ・人参などを植えました。今回は初めての参加、小さなお子さんの参加も多く、良い体験ができたとの声を聞くことができました。次回もお楽しみに。 (記:山根)

茶話会の報告


5月27日(火)10時より「あがり・框」さんにて茶話会を行い、18家族21名の参加がありました。
 会長挨拶、参加者の自己紹介と近況報告後、会員同士自由に語り合い、交流を深めました。昼食を頂いた後、悩みごとや相談ごとなどの時間も設け、活発な意見交換もできました。 (記:野村)



茶話会に参加して   帯広市 I 由美子(尚也 H25.5.13)


5月27日「あがり・框」さんにて開催された茶話会に初めて参加しました。
 別件のため、午後からの参加で少々緊張しましたが、皆さんにとても温かく迎えていただき、緊張もすぐに吹き飛んでしまいました。先輩ママさんたちのお話しは、とても参考になりました。息子に今後習わせようと考えている習い事についてのアドバイスや、一番身近な存在ともいえる兄妹たちとの関わりについて、実体験を交えてのお話しはハッとさせられたり、考えさせられたり、短時間でしたがとても楽しく過ごす事ができました。息子尚也は先月1歳になりました。息子が生まれたことで、私たちはたくさんの人・優しさ・温かい心に出会うことができました。息子に感謝の気持ちでいっぱいです。今後もやってくるであろう、たくさんの出会いに感謝しながら、共に成長していければと思います。お忙しい中、準備をして頂いた役員のみなさま、本当にありがとうございました。

北見分会からの報告

総会の報告


5月10日(土)、社会総合福祉会館にて北見分会の総会が行われました。
 出席者17名。今年度は役員改正の年度であり、会長の安田さんが辞任され、前年度副会長の横松さんが会長となりました。総会では、来年度の北海道小鳩会40周年にむけて多くの会員が出席できる様にと安田会長より話しがありました。また、「出生前診断」についての情報や意見の交換が行われ、総会の前には「ちびまま会」が開かれ、和気あいあいとママ達の情報交換も行われました。「ちびまま」では、会うたびに成長し可愛くなっていくちびちゃん達に会えてとても楽しい時間でした。 (記:八巻)

釧路分会からの報告

茶話会の報告
 
5月25日(日)サンアビリティーズ釧路にて、大人20人、子供20人とボランティア4人の協力を得て釧路分会の総会を行いました。
 昼食後の茶話会では「学習会の為の補助金」について色々な意見を聞く事が出来て、今後の行事内容を考えるうえで、とても参考になりました。他にも、以前、市の福祉課の方を招いての勉強会に出席できなかった方から、「もう一度聞いてみたい」・「少し上の先輩のお話しが聞きたい」・「土曜・日曜の集まりの他に、平日や夜の茶話会があっても良いのではないか」等、率直な意見も出て、とても有意義な時間を過ごす事ができました。これからも色々な声に耳を傾けて行事を企画し、進めて行けたらと思いました。 (記:坂下)

みんなの広場//こばと会に寄せられるみなさんのお便りをご紹介致します。

幼稚園入園おめでとうございます

帯広市 Y さない(三奈 H22.4.4)

2014年4月10日、帯広藤幼稚園に入園しました。温かい先生方に支えられ、毎日にこにこ元気に楽しそうに登園しています。弱々しかった三奈のこんな姿を見られて感動の春になりました。関わっていただいた方々に感謝でいっぱいです。

小学校入学おめでとうございます

函館市 G 麻衣子(佑人 H20.1.5)

大きくなったね!

今年の4月から我が家の佑人はピカピカの1年生!!
 沢山の人と関わりながらの成長を、期待と不安の両方を感じながら校区小学校に入学することとなりました。6年生になったお兄ちゃんと同じ学校であることや、知的障がい学級新設に伴い、先生が1人ほぼ佑人に付いてくれたことでスムーズにスタートすることが出来、毎日ニコニコで通っているのが何より嬉しいです。少し課題だったトイレも、自分から「せんせいトイレ!」と伝えるようになり、まるで本人も小学生になった自覚を持ったかのようです。家では「ママあそぼーよ~」・「抱っこして~」と甘え上手な佑人。外に出ると沢山の人の刺激を受けながら疲れてくるのかな?と感じ、ついつい「よしよし可愛いねぇ」と沢山甘えさせています。自我もしっかり芽生え「ったくもう!ムカつく!うるしゃい!!」なんて言葉も度々・・・こうやって日々大きくなっているんだなと、最近、嬉しいはずの自立の道が寂しく感じる事もあります。 まだ小さな体で、周りについていく事が大変な時もあるかもしれないけれど、佑人のペースで笑顔を忘れず、ゆっくりがんばろうね。

中学部進学おめでとうございます

函館市 H 雅子(宙大 H13.11.4)
4月、息子の宙大は函館養護学校中学部に入学しました。
 前の週までインフルエンザにかかり、入学式に出席できるか不安でしたが、なんとか出席できました。小学部の時は入院を繰り返していた宙大も、もう12歳。声変わりもし、すっかり青年になりました。中学部からは少しでも自立できるよう寄宿舎に入舎し、学校へ通っています。
 舎では「1人で眠れるかな?寂しくないかな?泣いてないかな?」と家族の私たちはすごくすごく心配で不安で、時計を見ては宙大は何をやっているかな?とみんなで言っていました。週末迎えに行くと、「舎楽しいよ!!」と舎での色々な事をたくさん教えてくれました。舎の先生方やお友達にとても優しくしてもらい、嬉しそうに話す宙大に安心しました。夜になると寂しくなる事が多々あるようですが、みんなに支えられ少しずつ乗り越えているようです・学校でも小学部の時とは勉強内容などが色々変わり、たくさんの先生方やお友達に接し学んでいるようです。
 小学部での6年間でひらがなが読めるようになり、名前も書けるようになりました。数字もある程度数えられるようになり、トイレもすっかり自立し、出来る事がたくさん増えました。中学部では、何が出来るようになるのかなと~楽しみです。

亀田郡 E 由樹(息吹 H13.11.1)

息吹、卒業・入学おめでとう!

息吹は、北海道七飯養護学校の小学部で6年間お世話になり、4月より同学校の中学部に入学しました。

 あの小さかった息吹が、もう中学生・・・。あっという間だな。そう思いながらも、実に様々な思いがあふれてきました。息吹が小学部1年生に入学時、「自閉症です。」そう告げられた娘が児童発達支援センタ—のつくしんぼ学級に入園。私たち親の心は、平静を装いながら、心の中は嵐が吹き荒れていました。思いがけない出来事を受け止めるべく、毎日必死でした。しかし、家族・園や学校の多くの方々に温かなご支援をいただき、そして小鳩会の方々にも励ましていただき、心の嵐は徐々におさまっていきました。正直、娘の事に気を取られ、学校の先生にまかせっぱなしになっていたり、息吹に行き届かないことが沢山あったかと思います。ああ・・・ちゃんとしてあげられなかった・・・そんな私の後悔とは裏腹に、いつも息吹は沢山の可愛い笑顔をくれました。

息吹、ありがとう。そして、支えてくださったすべての方々に感謝します。

 卒業式、息吹の名前が読み上げられ、スクリーンに息吹の笑顔が映し出されました。息吹は張り切って卒業証書を受け取り・・・私は胸がいっぱいになりました。そこまでは良かったのですが・・・いきなり息吹は何故かバタバタと全く関係のない方に走り出し先生に捕まえられていました。おいおい・・・私はふっと笑顔になりました。6年前、つくしんぼ学級の卒園式にも、証書を読み上げている園長先生の前を素通りしていった息吹・・・おいおい・・・その時も私は吹き出しました。「ママ、笑顔だよ!笑顔!!」なんだかそう言われている気持ちになるのです。
 中1になり、毎日ニコニコと張り切って登校している息吹。新しい生活が楽しいようです。私も息吹を見習い、毎日を笑顔で過ごしたいと思います。「息吹、小学部卒業・中学部入学本当におめでとう!!これからの成長をとても楽しみにしているよ!!」

高等部進学おめでとうございます

函館市 S 佐智子(陸人H10.10.30)
「高校生になりました」

4月より北海道教育大学附属特別支援学校の高等部に通っています。
 高等部では作業学習なるものがあり、陸人は木工作業を選択し、すべては形からと言うことで新品の作業服に身を包み、日々ヤスリがけに勤しんでいます。新学期当初は校門が近づくと緊張で顔が強ばっていましたが、最近やっと笑顔が見られるようになりました。この先も楽しく通ってくれれば何よりです。陸人は小さい頃から人が大好きで、甘えん坊で、いつもかまって貰いたくてイタズラばかりする子供でしたが、15歳になった現在でも変わりません。違うところといったら、顔つきが少し大人びたくらいでしょうか。学校生活もあと3年で終わり社会に出ていくことになります。否応なしに大人に成らざるを得ません。それまでは今の一番輝いている時期を満喫して欲しいものです。

千歳市 K 香緒里(雪乃 H21.1.15)
2009年に1620gで生まれてきた雪乃も、来年は小学生になります。
 あっという間でした。去年から学校さがしをしていたので、5月上旬に受け入れてくださる小学校も決まり(共栄分校の訪問教育です。)ホッとしています。今年は学校の用品の準備の1年になりそうです。

章博さんからのお礼とご自分の絵の絵葉書

手稲区 S 章博さん(S47.5.25)

急に暑くなりましたが、役員の皆様お変わりありませんか。
 先日は誕生日のお祝いの葉書を頂き有り難う御座いました。おかげ様で、元気で42才になりました。これからも色々頑張ります。



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