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日本ダウン症フォーラム 99 in 大阪
(第4回日本ダウン症フォーラム)に参加しました
札幌市 M.F
シンポジウムで発表した3人
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今年で第4回になるフォーラムですが、参加受付締め切りの日にちの関係で会報ではご案内できませんでしたが、各分会と会のメーリングリスト登録者には開催のお知らせを送りました。
北海道小鳩会からは4家族16名が参加しましたので、どのような内容だったかを報告いたします。
10月9日、午前中は国際ジョイントミニシンポジウムで、鹿児島の大学を卒業された岩元綾さんとオーストラリアから来日された女優のルース・クローマーさん(お二人ともダウン症の方)が講演されたのですが、遠くから参加の我々はこのシンポジウムには参加できませんでした。
午後の部はシンポジウム「健やかに生きる」まずフォーラム参加者全員に配布されたダウン症健康フォローアップ手帳(この冊子は初めてダウン症の子どもを持った親が抱く、どのような症状か、発達・発育はどうか、元気に育つには等の疑問や心配に答える内容のものです。乳幼児期から学童期を中心にまとめてあります)について説明がありました。
次に作成協力者の堺市の養護学校の国澤先生が、ダウン症児の身長と体重の増え方、大阪府立金剛コロニー付属診療所の古林先生の成人ダウン症者の医学的合併症の講演がありました。その後、冊子作成協力者の12名の方々と参加者で質疑応答が行われました。会場からは言葉の問題、偏食などについて質問が出されていました。
次に、保育に預けられた子ども達を休憩中に引き取った後、コンサートを楽しみました。京都の親の会「トライアングル」の子ども達(きょうだいも一緒)の楽しい合奏と「トライアングル」の佐々木君がドラムを叩き、彼の従兄弟とお友達が歌とギターで演奏しました。佐々木君は髪の毛をおしゃれに染めてドラムも上手で素敵でした。そしてNHK教育TV「たのしいきょうしつ」で歌のお兄さんをされていた新井宗平さんとカフェオーレの「手をつなごうコンサート」が続きました。
子ども達の知っている歌で会場の子どもも親も一緒になって楽しめました。新井宗平さんにはダウン症の娘さんがいます。お子さんが生まれた時のことをお話されて、「お母さんだけじゃなく、お父さんもつらかったんだよ」とその時の気持ちを歌い上げられました。そして今は娘が生まれてくれたからこそ、こんなに幸せで頑張っていかれるんだと話されました。コンサートの最後は会場の子ども達もステージに上がって大合唱。会場が一つになってみんなが楽しんだコンサートになりました。
夜は「レストラン505」という所で交流会がありました。北海道勢も全員参加。食事をとりながら全国から参集した皆さんと再会を喜んだり、初対面でもすぐ話しに花がさいたりと楽しい時間を過ごしました。
10日は午前中、シンポジウム「ダウン症者の就労を考える」。3人の働く本人達の日頃の働いている様子をビデオで紹介した後、本人達が仕事の内容、通勤方法、趣味などについて書いた作文を読み上げました。ここに私の娘、泰代も出演させていただきました。他の2名の方は伊藤ハムの工場で働いている男性(20代)、大阪大学生協食堂で働いている女性(30代)でした。泰代は福祉就労ですが、自然食品のお店で働いている様子を発表しました。その後障害者雇用に関わる6人のパネリストがそれぞれの立場で障害者の就労に関してお話されました。(この間、突然大阪府知事の横山ノック氏が来られフォーラム激励の挨拶をされました)
昼食タイムは会場の周りの芝生の上で参加された皆さんと談笑しながらお弁当を食べました。みんなすぐにお友達になっているようでした。
午後は宮城県福祉事業団理事長の田島良昭さんの演題「ふつうの場所でふつうの暮らしを」の講演。障害者施設の過去、現状を話され、これからの施設の改善点と方向性を示唆されました。
『楽団あぶあぶあ』と新井宗平さんのコンサート
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その後、前日同様保育の子ども達を引き取って、「楽団・あぶあぶあ」のコンサートが行われました。18年前に高等養護学校の在校生と卒業したばかりの音楽好きの仲間10人で結成されたバンドで主力メンバーがダウン症、自閉症。1曲マスターするためにはかなりの時間が必要とのことです。音楽が好きな仲間と指導しサポートするスタッフとで素晴らしい演奏を聞かせてくれました。どの曲もきれいな音色の優しさにあふれた曲でした。7年前に10代の仲間と「ミュージカル LOVE」を結成、今回はそのミュージカルの踊りを見せて下さいました。感情のこもった表情、踊りで会場からも大きな拍手でした。この日も新井宗平さんが参加されフィナーレはまた子ども達がステージに上がり、北海道から参加の子ども達ももちろん舞台上に。「あぶあぶあ」「LOVE]新井さんと一緒に踊り歌い会場は拍手、歌声で盛り上がりみんなの気持ちが温かいもので一杯になったように思いました。
最後に大阪フォーラムの藤田実行委員長、JDSNの武部委員長の挨拶と来年のフォーラムの開催を予定している埼玉県立小児医療センターの大橋先生がピアノで療育センターでの「お帰りの曲」(大阪フォーラム終了の意)と「お迎えの曲」(埼玉フォーラムへお誘いの意)を演奏され、来年も何か期待できそうな気持ちにさせられて全日程終了となりました。
今回はシンポジウムは時間的な制約があって突っ込んだ話し合いはできませんでしたが、コンサートが素晴らしく参加者の気持ちが一つになり、子ども達も親も元気が出たのではないでしょうか。
両日とも500名収容の会場は参加者がぎっしり。まだ2ヶ月の赤ちゃんと参加されていたお母さんから青年期の本人達まで全国からたくさんの人が集まっていました。
一年をかけてこのフォーラムの実行委員として活躍された大阪の皆さんの努力には頭が下がりました。本当に素晴らしいフォーラムでした。
北海道から参加の4家族は2日目の夕食を16名全員で楽しみました。全員が一緒になったのは9日の関空からの電車内・交流会とこの時だけでしたが参加したみんなが来て良かったと感じていたように思います。一年に一度全国から仲間が集まる機会です。来年は皆さんも参加してみませんか。必ず収穫があるはずです。
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